モローとルオー -聖なるものの継承と変容-

Gustave Moreau et Georges Rouault FILIATION

パナソニック 汐留ミュージアム

20130907-20131210

 

常設展を開催しました。こちらからどうぞ。 [2013.11.23 up]

2013年9月27日(金) 晴 10時50分~11時20分頃

 

【総評】

 

 平日、金曜日の昼前でしたのでガラ空きかなと思っていましたが、そこそこ人がいました(何故か圧倒的に女性が多かったです)。休日は意外と混むような気がします。

 

 チケットですが、前売り販売がなかったですのでチケットショップで購入しました。購入した場所は美術館の最寄り駅(新橋)で、美術館とは反対側の出口を降りて、

 このビルの中で購入しました。写真の入口から入るとすぐ正面に「チケットショップ 新宿屋」というチケットショップが見えます。定価1,000円が700円で購入できました。

 

 ただ、売り切れている可能性もありますので、公式サイトの「ホームページ割引引き換え券」は用意しておいた方が良いかもしれないです。

 

 ギリシア神話関連ですが、以下の6点がありました。

 

 ギュスターヴ・モロー 「ユピテルとセメレ」

 ギュスターヴ・モロー 「バルクと死の天使」

 ギュスターヴ・モロー 「ヘラクレスとレルネのヒュドラ」

 ギュスターヴ・モロー 「油絵下絵またはヘレネ」

 ギュスターヴ・モロー 「セイレーンたち」

 ギュスターヴ・モロー 「オルフェウスの苦しみ」

 

 中に入って比較的直ぐにギュスターヴ・モローさん「ユピテルとセメレ」がドーンと。

 ジックリと観ていて気になったがセメレさんの脇腹に居る有翼の「何か」。良く観ても分からなかったので、図録を見てみると、

 

 血に染まった脇腹に泣き伏し嘆いているのは、そのバッカスだろうか。クピドのように羽を生やしたこの人物を、モローは「山羊の脚を持つ、世俗的(動物的)愛という官能の精」と呼んでいる(p41抜粋)。

 

 とありました。山羊の脚……確かにちょっと山羊っぽいですが、それより頭付近にある「蛇の頭が取れたような」何かは、何なのでしょう…?

 

 メドゥーサの首が切られた時には天馬ペガソスとクリューサーオールが生れたように、セメレさんが焼かれた時にディオニュソス以外に何かが生れた(というか取り出した)というのはなかったと思います。

 

 まぁ謎という事で、気に留めておきます。

 

 「ヘラクレスとレルネのヒュドラ」は2005年「Bunkamura ザ・ミュージアム」での「ギュスターヴ・モロー フランス国立ギュスターヴ・モロー美術館所蔵」に来ていた物とちょっと違っていました。

 

 ヘラクレスのポーズや構図等は同じなのですが、今回の方が「完成に近い」ように見えます。「未完」の方がモローさんっぽいと言えばモローさんっぽいですが、素人の私にはやはり完成に近い方がいいなぁと。

 

 「油絵下絵またはヘレネ」は正直「何だか分からなかった」のですが、前述の2005年「モロー展」に出展されていた「トロイアの城壁に立つヘレネ」を思い出しました。図録を見てみると、

 

 「トロイアの城壁のヘレネ」はモローにとって特に大切な主題であり、1895年には、同テーマをローマ賞コンクールの課題に提案している(p118抜粋)。

 

 とありました。なるほど、そうだったんですね。アフロディテに「世界一の美女」と認定されたヘレネさん、実は余り絵画を観たことがありません。パリスとセットなのはジャック=ルイ・ダヴィッドさんのが有名な気がしますが「一人」となると少ない気がします。

 

 ましてや「トロイアの城壁」というのは中々レアっぽい。ヘレネさんがトロイアの城壁に居る場面は、岩波文庫ホメロス著「イリアス(上)」の、

 

 その蝉にも似た姿で長老たちは、城壁上の櫓に座っていたが、いま櫓に向かって歩いてくるヘレネの姿を見るや、声を低めて互いに翼ある言葉をかけていうには、(p94抜粋)

 

 この後、トロイア王プリアモスとギリシア軍について会話をしますが、この辺りかなぁと思います。ただ図録には、

 

 モローはヘレネに関して、ホメロスよりもエウリピデスの悲劇に、より多くの着想を得ている(p118抜粋)。

 

 とありました…^^; 悲劇は余り好きではないので、パス……。

 

 ちょっとマイナーな美術館っぽい気もしますが、ギリシア神話好き、モローさん好きの方には行く価値があるかと思います……というか、今年後半のメインかと。

ギリシア神話関連は常設展で展示しています。

【購入グッズ】

 図録 \2300

 

ポストカード

 ギュスターヴ・モロー 「ユピテルとセメレ」 \100

 ギュスターヴ・モロー 「バルクと死の天使」 \100

 ギュスターヴ・モロー 「ヘラクレスとレルネのヒュドラ」 \100

 ギュスターヴ・モロー 「≪サロメ≫のための習作(洗礼者聖ヨハネの斬首)」 \100

 ギュスターヴ・モロー 「メッサリーナ」 \100

 ギュスターヴ・モロー 「一角獣」 \100

 ギュスターヴ・モロー 「トミュリスとキュロスまたはトミュリス女王」 \100

 

「モローとルオー」ポスター \300

 

額絵

 「ユピテルとセメレ」 \500

 

ダブルファイル

 「モローとルオー」 \650

 

A4クリアファイル

 「ユピテルとセメレ」 \400

 

A5キラキラクリアファイル

 「モローとルオー」 \400

 

マグネット

 「ユピテルとセメレ」 \840

 実はグッズは余り期待していなかったのですが……これが中々充実。特に最近は余り見かけなくなった展覧会の「ポスター」が販売されていました(即買い)。

 

 また、額絵も販売されていました。個人的には「ヘラクレスとレルネのヒュドラ」のも欲しかったのですが、残念ながらなかったです。

 

 その他、定番のクリアファイル、マグネット、トートバック等がありました。トートバックは散々悩んだのですが未購入。使い易そうで良かったのですが、ちょっとデザインが私の好みではなかったので……。

 

 レシートはロゴ等はなし(ポストカード入れも無地)。ちょっと寂しいです。

 散財しています……そのお陰か大きな袋に入れてくれました。

 流石大企業、しっかりした作りです。何かちょっと美術館っぽく見えないのも良い感じです。

 

 なお、クレジットカードは利用できませんでした。

【ギリシア神話の絵画とポストカード】

No 画家名 作品名 ポストカード
1 ギュスターヴ・モロー ユピテルとセメレ
2 ギュスターヴ・モロー バルクと死の天使
3 ギュスターヴ・モロー ヘラクレスとレルネのヒュドラ
4 ギュスターヴ・モロー 油絵下絵またはヘレネ ×
5 ギュスターヴ・モロー セイレーンたち ×
6 ギュスターヴ・モロー オルフェウスの苦しみ ×