大エルミタージュ美術館展 ― 世紀の顔・西欧絵画の400年

400 Years of European Masterpieces from the State Hermitage Museum

国立新美術館

20120425-20120716

 

常設展を開催しました。こちらからどうぞ。 [2012.10.20 up]

2012年5月1日(火) 曇時々雨 10時15分~11時15分頃

 

【総評】

 GWの最中の平日なので多少は空いているかな、と思いましたが、やはり結構混んでいました。セザンヌ展と同時にやっているので相乗効果もあったように思います。

 

 さて、ギリシア神話関連ですが、10点と豊作です。

 

・パリス・ボルドーネ 「ウェヌス、マルスとクピド」

・ランベルト・スストリス 「ウェヌス」

・バルトロメオ・スケドーニ 「風景の中のクピド」

・ヤン・ファン・ケッセル(1世) 「ウルカヌスの鍛冶場を訪ねるウェヌス」

・フランソワ・ブーシェ 「クピド(詩の寓意)」

・フランソワ・ブーシェ 「クピド(絵画の寓意)」

・ジョシュア・レノルズ 「ウェヌスの帯を解くクピド」

・ピエール=ナルシス・ゲラン 「モルフェウスとイリス」

・アンリ・ファンタン=ラトゥール 「水の妖精ナイアス」

・ペーテル・パウル・ルーベンス 「虹のある風景」

 

 今回の目玉はジョシュア・レノルズさんの「ウェヌスの帯を解くクピド」とピエール=ナルシス・ゲランさんの「モルフェウスとイリス」の2点。

 

 「ウェヌスの帯を解くクピド」は人だかりができていて観るのが大変でした。遠くから観るととても綺麗なのですが、近くで観るとヒビ割れがひどかったように思います。まぁウェヌスに「ヒビ割れ」なんて言ったら大変な事になりそうですが……。

 

 逆に「モルフェウスとイリス」は余り人がいませんでした。大きな作品で遠くからでも目立ちます。モルフェウスが寝ているベッドの下にはどうもギリシア神話の物語が描かれているようでした。

 

 実際に見ていた時は、左側はヘルメスが百目のアルゴス(後に孔雀になる)を退治しているシーン、右側はいまひとつ何か分かりませんでした。ゼウスとヘラのような気がしていました。ですが、図録を見ると、


 「モルフェウスとイリス」という中心となる主題は、眠りの力を描写する3つの場面によって補足されている。それらの場面は、モルフェウスが眠るベッドの台座を飾る浅浮彫(バ=レリーフ)として描かれている。これらの場面について、ゲランは、オウィディウスの『変身物語』第1巻およびホメロスの『イリアス』第14歌から主題を得た。右の場面には、モルフェウスの腕の中で眠るユピテルが描かれている。こうしてモルフェウスは、ユピテルがトロイア戦争に参加することを妨げているのである。中央に描かれているのは、飛翔するモルフェウスである。左の浅浮彫(バ=レリーフ)には、ユピテルの命を受けたモルフェウスがアルゴスを眠らせようとしている場面が描かれている(カタログp207抜粋)。

 

 とありました。なるほど。左側は正解でしたが、右側はヘラ女神の策略で眠らされたゼウスだったんですね……中々見る事のできない貴重なシーンです。この場面だけで1枚描いて欲しかった気もします。


 バルトロメオ・スケドーニさんの「風景の中のクピド」は2010年国立西洋美術館「カポディモンテ美術館展」にも来ていました。今回のも綺麗でしたが「カポディモンテ美術館展」のがオリジナルらしくクピドの「少し幼い美少女のような顔つき」はオリジナルの方が完成度が高いように感じました。

 

 後、ギリシア神話ではありませんが、有名なアンソニー・ヴァン・ダイクさんの「どや顔」の「自画像」が観れました。


 ギリシア神話の絵画が多く、満足のいく美術展でした。

【購入グッズ】


図録 \2500

 

切手 エルミタージュ美術館展 \1600

 

ポストカード

 バルトロメオ・スケドーニ 「風景の中のクピド」 \100

 フランソワ・ブーシェ 「クピド(詩の寓意)」 \100

 フランソワ・ブーシェ 「クピド(絵画の寓意)」 \100

 ジョシュア・レノルズ 「ウェヌスの帯を解くクピド」 \100

 ピエール=ナルシス・ゲラン 「モルフェウスとイリス」 \100

 アンリ・ファンタン=ラトゥール 「水の妖精ナイアス」 \100

 ペーテル・パウル・ルーベンス 「虹のある風景」 \100 (6/9追加)

 モーリス・ドニ 「母と子」 \100

 オラース・ヴェルネ 「死の天使」 \100

 エリザベト・ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン 「自画像」 \100

 アンソニー・ヴァン・ダイク 「自画像」 \100

 ユベール・ロベール 「古代ローマの公衆浴場跡」 \100

 アンリ・マティス 「赤い部屋(赤のハーモニー)」 \100

 ニコラス・ファン・フェーレンダール/カスパー・ヤコブ・ファン・オブスタル(1世) 「ヴァニタス(はかなさの寓意)」 \100


大判ポストカード(A5)

 ジョシュア・レノルズ 「ウェヌスの帯を解くクピド」 \200

 フランソワ・ブーシェ 「クピド(詩の寓意)」 \200

 

A4ポスター

 バルトロメオ・スケドーニ 「風景の中のクピド」 \300

 

A5クリアファイル

 バルトロメオ・スケドーニ 「風景の中のクピド」 \300

 

A4クリアファイル

 ピエール=ナルシス・ゲラン 「モルフェウスとイリス」 \400

 ペーテル・パウル・ルーベンス 「虹のある風景」 \400 (6/9追加)

 

B4クリアファイル

 エルミタージュ美術館展 \600

 

一筆箋

 モルフェウスとイリス/ウェヌスの帯を解くクピド/風景の中のクピド \400

 

ストラップ

 バルトロメオ・スケドーニ 「風景の中のクピド」 \600

 ジョシュア・レノルズ 「ウェヌスの帯を解くクピド」 \600

 

 ピエール=ナルシス・ゲラン 「モルフェウスとイリス」 \600 (6/9追加)

 

ブックマーカー

 バルトロメオ・スケドーニ 「風景の中のクピド」 \500

 ジョシュア・レノルズ 「ウェヌスの帯を解くクピド」 \500

 

マグネット

 ジョシュア・レノルズ 「ウェヌスの帯を解くクピド」 \600

 ピエール=ナルシス・ゲラン 「モルフェウスとイリス」 \600

 バルトロメオ・スケドーニ 「風景の中のクピド」 \600 (6/9追加)

 ペーテル・パウル・ルーベンス 「虹のある風景」 \600 (6/9追加)

 

 図録はクレジットカードが利用可能ですが、グッズは「一品で\5000以上」なら利用可能との事でした。

 

 この美術展はグッズが豊富でした。普段は買わない「一筆箋」と「マグネット」も購入。「一筆便箋」はギリシア神話の3点がまとまっていたので買わざるを得なかったです。「マグネット」は「モルフェウスとイリス」がバランス良く綺麗だったので「ウェヌスの帯を解くクピド」と併せて購入。

 

 支払い後、どんなデザインのレシートを貰えるか楽しみにしていたのですが、何とレシートなし。レシートがないと各商品の単価も分からず、流石に覚えきれないので、お願いして単価を書いて頂きました。う~ん、グッズが多かったので、意外な所で残念感が……。

 

(6/9追記)

 6/8に再度、ミュージアムショップに行った所、ポストカード入れがオリジナルな物になっていました。最初に行った時は普通の紙でしたが、ビニール製で「HERMITAGE」とデザインされています。

 また、ストラップも「モルフェウスとイリス」が増えていたような……前回は確かになかったですので。もしかすると別の種類の物が上にかぶさって見つけられなかったのかもしれませんけど……。

 

 う~ん、後からグッズやポストカード入れを追加されるのは、辛い……といって後半に行くと売り切れている場合がありますし。難問です。

ギリシア神話関連のポストカードは常設展で展示予定です。

【ギリシア神話の絵画とポストカード】

No 画家名 作品名 ポストカード
1 パリス・ボルドーネ
ウェヌス、マルスとクピド
 ×
2 ランベルト・スストリス
ウェヌス
 ×
3 バルトロメオ・スケドーニ 風景の中のクピド  ○
4 ヤン・ファン・ケッセル(1世) ウルカヌスの鍛冶場を訪ねるウェヌス  ×
5 フランソワ・ブーシェ クピド(詩の寓意)  ○
6 フランソワ・ブーシェ クピド(絵画の寓意)  ○
7 ジョシュア・レノルズ ウェヌスの帯を解くクピド  ○
8 ピエール=ナルシス・ゲラン モルフェウスとイリス  ○
9 アンリ・ファンタン=ラトゥール 水の妖精ナイアス  ○
10 ペーテル・パウル・ルーベンス 虹のある風景  ○