ベルギー王立美術館展

Chefs-d'oeuvre des Musees royaux des Beaux-Arts de Belgique

国立西洋美術館

20060912-20061210

No:0011_0001

地獄のアイネイアス

Aeneas in the Underworld

ヤーコプ・ファン・スワーネンブルフ

油彩・カンヴァス、101.5×150.0cm(Oil on Canvas 101.5×150.0cm)

制作年不詳(?)

ベルギー王立美術館(Musees royaux des Beaux-Arts de Belgique)

 有名な叙事詩「アエネイス」の第6巻で、ウェルギリウス(前70-19年)は、どのようにアイネイアスがクーマイの巫女シュビラに導かれて黄泉の国を通り抜けるのかを物語る。アイネイアスはそこで父、アンキーセースに会うことを望んでいた(カタログp30抜粋)。


No:0011_0002

イカロスの墜落

The Fall of Icarus

ピーテル・ブリューゲル[父](?)

油彩・カンヴァス、73.5×112.0cm(Oil on Canvas 73.5×112.0cm)

制作年不詳(?)

ベルギー王立美術館(Musees royaux des Beaux-Arts de Belgique)


 イカロスは名工ダイダロスの息子で、ダイダロスがクレタ島のミノス王を裏切った為、迷宮に閉じ込められますが、蝋と羽で翼を作り親子で脱出をします。イカロスは空を飛べたことを喜び、高く飛びすぎた為、太陽の熱で蝋が溶けて墜落し、命を落としてしまいます。

 

 美術展のカタログには、

 

 飛行に夢中になったイカロスは、父親の忠告も聞かずあまりにも太陽に近づきすぎたため、蝋が溶けて翼を奪われてしまう。かくしてこの軽率な若者は波のもくずと化すのである(カタログp22抜粋)。

 

 とあります。高く飛べば太陽で蝋が溶け、低く飛べば海の湿気で羽が重くなる、この為、中間を飛びなさい、とイカロスに忠告しています。

 

 この話に似ている話が「太陽の馬車を走らせるパエトーン」にもあり、トマス・ブルフィンチさんの「完訳 ギリシア・ローマ神話」のp88に「中道がいちばん安全で、よい道なのだ。」と太陽神アポロンが息子のパエトーンに忠告しています(結局、イカロスと同じく命を落とします)。

 

 神ならざる人間は、上でも下でもなくバランスの良い真中を生きていきなさい、という教訓なのでしょうかね……。

 

詳しくは→ 【絵画の中のギリシア神話】 イカロスの話

No:0011_0003

イカロスの墜落(部分)

The Fall of Icarus

ピーテル・ブリューゲル[父](?)

油彩・カンヴァス、73.5×112.0cm(Oil on Canvas 73.5×112.0cm)

制作年不詳(?)

ベルギー王立美術館(Musees royaux des Beaux-Arts de Belgique)

 

 

No:0011_0004

踊るニンフ

Nymphs Dancing

コンスタン・モンタルド

艶消しのメディウムで溶いた油彩、テンペラ、カンヴァス、95.5×135.5cm(oil paint with mat medium and tempera on canvas 95.5×135.5cm)

1898年頃(c.1898)

ベルギー王立美術館(Musees royaux des Beaux-Arts de Belgique)

 

No:0011_0005

白、黒、金

White,Black and Gold

フェルナン・クノップフ

パステル、水彩、グアッシュ、カンヴァスで裏打ちした紙、90.0×30.0cm(pastel,watercolour and gouache on paper,mounted on canvas 90.0×30.0cm)

1901年頃(c.1901)

ベルギー王立美術館(Musees royaux des Beaux-Arts de Belgique)

 例えば、前景に見られるヒュプノスの頭像の扱いがそうだ。眠りの神ヒュプノスは、夜の女神ニュクスとエレボスの息子にして死の神タナトスの双子の弟である(カタログp132)。