ベルリン国立美術館展 ― 学べるヨーロッパ美術の400年

From Renaissance to Rococo. Four Centuries of European Drawing, Painting and Sculpture.

国立西洋美術館

20120616-20120917

 

常設展を開催しました。こちらからどうぞ。 [2013.1.5 up]

2012年7月6日(金) 曇一時雨 13時20分~13時45分頃


【総評】

 

 平日でしたが、普通に混んでいました。この美術展だけでも混むと思われますが、近くの東京都美術館が「激混み」ですので、相乗効果で混んでいると思われます。

 

 まぁヨハネス・フェルメールさんの「真珠(耳飾と首飾り)の二人の彼女」が、同時期に近くの美術館で観れるとあっては両方、混みますよね……。

 

 ギリシア神話関連ですが、以下の13点がありました。

 

・レンブラント・ファン・レイン 「ミネルヴァ」

・レンブラント派 「黄金の兜の男」

・チェーザレ・ダ・セスト 「ミネルヴァとヴィクトリアの間に立つローマの軍人」

・ヴェネツィアの彫刻家 「イルカを伴うウェヌス」 【彫刻】

・アレッサンドロ・ヴィットリア 「アポロ」 【彫刻】

・ヴェネツィアの彫刻家 「アポロ」 【彫刻】

・パドヴァの彫刻家 「ヘラクレスとアンタイオス」 【彫刻】

・ヤコポ・サンソヴィーノに帰属 「ラオコーンとその息子たち」 【彫刻】

・フランスの彫刻家 「イルカに腰掛けるウェヌス」 【彫刻】

・ヴェネツィアの彫刻家 「ネレイスのドアノッカー」 【彫刻】

・フランチェスコ・ファネッリ 「幼いヘラクレスと蛇」 【彫刻】

・レオンハルト・ケルン 「ガイア、もしくは人喰いの擬人像」 【彫刻】

・マテウス・ドンナー 「ウェヌスとアドニス」 【彫刻】


 絵画は3点で彫刻が10点と多かったです。また、この他、

 

ルーカ・シニョレッリ 「人物を背負うふたりの裸体像」

 

 という素描があったのですが、カタログには、

 

 本素描の主題に関しては、アンフィノモスとアナピアス兄弟[Dreyer 1979a,no10]、あるいはアエネアスと父アンキセス[Schulze Altcappenberg 1995,p.184]などの説があるが、構図や描写の細部から、やはりオルヴィエートの壁画のための構図習作と判断する方が適切である(カタログp278)。

 

 とありました。個人的にも「アエネアスと父アンキセス」には見えなかったので、これはギリシア神話関連としては外しておきたいと思います。

 

 個人的なメインは「ミネルヴァ」と「黄金の兜の男」です。

 

 「ミネルヴァ」はレンブラントらしいと言えばレンブラントらしいのですが「ちょっと、おばさんっぽいなぁ」と思ってしまいました……2011年に同じく国立西洋美術館で行われた「レンブラント 光の探求/闇の誘惑 版画と絵画 天才が極めた明暗表現」の「書斎のミネルヴァ」もちょっと「おばさん」っぽかったですが「書斎のミネルヴァ」の方がまだ若く、ミネルヴァらしい気がしました。

 

 「黄金の兜の男」はギリシア神話かどうか微妙な所です。今回のタイトルには「マルス」という言葉は入っていませんでしたが、カタログには、

 

 おそらくレンブラントの兵士もやはり、マルスに扮した肖像の可能性が高い(カタログp182)。

 

 とありました。そしてこの「黄金の兜の男」は2003年に同じく国立西洋美術館で行われた「レンブラントとレンブラント派 聖書、神話、物語」にも来ていましたが、この時のカタログには、

 

 ここに描かれているのが、「マルス」なのか、それとも「扮装肖像」なのかについて、確定的なことはわからない(カタログp96抜粋)。

 

 と書かれていました。この時のキャプションやカタログのタイトルには「黄金の兜の男(マルス)」とあり、イメージとしてはやはり「マルスに扮する誰かの肖像画」といった扱いでした。この為、ギリシア神話の絵画として扱っています。

 

 因みに「ミネルヴァ」と「黄金の兜の男」は並んで展示されていて、その先に美術展の目玉の「真珠の首飾りの少女」がありました。当然「真珠の首飾りの少女」には人だかりができますが、そのあおりを受けて「ミネルヴァ」と「黄金の兜の男」にも人だかりが……。恐らく普通に離して展示してあれば、そう混むとは思われないのですが「目玉」と「準・目玉」クラスが固まって展示してあると、そのコーナーは普通に混みますよね……ギリシア神話だけが目当ての私としてはちょっと「う~ん」と思ってしまいました。

 

 とは言え、ギリシア神話もそこそこあり、満足のいく美術展でした。

【購入グッズ】


図録 \2500

 

ポストカード

 レンブラント派 「黄金の兜の男」 \100

 レンブラント・ファン・レイン 「ミネルヴァ」 \100

 ヨハネス・フェルメール 「真珠の首飾りの少女」 \100

 ヨハネス・フェルメール 「真珠の首飾りの少女(部分)」 \100

 ルーカス・クラーナハ(父) 「ルクレティア」 \100

 

額絵

 A4 レンブラント派 「黄金の兜の男」 \300

 A5 レンブラント派 「黄金の兜の男」 \250

 

A4クリアファイル

 レンブラント派 「黄金の兜の男」 \350

 

ブックマーク

 レンブラント派 「黄金の兜の男」 \1050

 

 クレジットカードは5千円以上から使用可能との事です。最近のグッズの傾向ですが、額絵が復活したように思います。この「ベルリン美術館展」でも2種類の額絵がありましたが、梯子をした「バーン=ジョーンズ展」「マウリッツハイツ美術館展」でも額絵が販売されていました。ここしばらくギリシア神話に限らず、額絵は販売されていなかったのですが、急に復活したように感じます。まぁある程度売れる魅力ある絵画が多かった、という事なのかもしれませんが、売れる売れないに関わらず美術展のショップには、額絵はあった方が「華」があって良いような気がしています。

 

 因みに図録はとても立派です。「あーこれなら\2500するかな」と思えます(ただ、ちょっと立派過ぎる気もします)。

 チケット。

 レシートはオリジナルのロゴが入っています。2枚あるのは買い忘れの為です ^^;

 購入ポストカード。

 ギリシア神話関連のポストカードは常設展で展示予定です。

 ポストカード入れはオリジナルな物でした。嬉しいですが、ちょっと地味な感じがしますね……。

 結構、集めているブックマークです。

【ギリシア神話の絵画とポストカード】

No 画家名 作品名 ポストカード
1 レンブラント・ファン・レイン
ミネルヴァ
2 レンブラント派
黄金の兜の男
3 チェーザレ・ダ・セスト ミネルヴァとヴィクトリアの間に立つローマの軍人 ×