ルーヴル美術館展 地中海 四千年のものがたり

LA MEDITERREANEE DANS LES COLLECTIONS DU LOUVER

東京都美術館

20130720-20130923

2013年7月26日(土) 晴 10時15分~11時30分頃


【総評】

 

 混んでいます。平日の朝早い方(※)でしたので多少は空いているかな、と思っていましたが、甘かったです。入口には人は並んでいませんでしたが、中に入ると作品を観るのが大変なぐらい人がいました。

 

(※)10時からかと思っていたら9時30分から開館していました。夜も遅いですね。有難い事です。

 ギリシア神話関連ですが、以下の42点がありました。ただ今回もギリシア神話かどうか微妙なのが多く、ギリシア神話っぽいのも含んでいます。


01.「赤像式クラテル(壺):農業の女神デメテルの麦の穂を受け取る、ギリシアの英雄トリプトレモス」

02.「赤像式杯:踊るサテュロス、コッタボス遊び (酒を鉢に投げ入れて恋占いをする遊び)をする会食者」

03.「カンタロス(高脚杯)と柘榴(?)を持つ、葡萄と酒の神ディオニュソスの浮彫」

04.「競技者に与えられるオリーヴ油を入れる黒像式アンフォラ:アテネの守護女神アテナ(A面)、競技者(B面)」

05.「アテネ式黒像式杯:英雄ヘラクレスとケンタウロスのネッソス(内側の底部分)」

06.「コリントス式アラバストロン(小型の香油入れ):白鳥および神話の怪物ゴルゴンの頭」

07.「浮彫装飾:神話の怪物ゴルゴン」

08.「赤像式クラテル(壺):牡牛に変身した主神ゼウスによる王女エウロペの掠奪」

09.「赤像式アンフォラ:薪の上で焚刑に処されるリュディア王クロイソス(A面)、ギリシアの英雄テセウスとペイリトオスによるアマゾン族の女王アンティオペの誘拐(B面)」

10.「カルピス(水瓶):ギリシアの英雄ヘラクレスによるエジプト王ブシリスの殺害」

11.「エジプト様式の男性像:ディオニュソスという名のギリシア人がエジプトの神々に献呈したことがギリシア語とエジプト語で記される」

12.「カラトス(ヤナギ細工の籠)を頭に乗せたギリシアとエジプトの混合神、愛と豊穣の女神アフロディテ=イシスの小像」

13.「巨大彫像の断片:エジプトの聖牛アピスとギリシアの神々が融合して生まれた混合神セラピスの頭部」

14.「彫像断片:ディアデマ(宝石入り帯状髪飾り)を冠したエジプトの地母神イシスの頭部」

15.「エジプトの守護の神ベスとオリエントの神アッティスの彫像:アッティスはギリシアの女神キュベレに同伴する神」

16.「玉座に鎮座し、杯とタンバリンを持つギリシアの女神キュベレの小像」

17.「翼をもち、女性の胸をした神話の創造物スフィンクス像」

18.「浮彫断片:占星術と天文学のムーサ(女神)、ウラニア」

19.「カルタゴの豊穣の女神タニトの標章とヘルメスの杖(蛇が巻きついた杖)が彫られた破風付き石碑:碑文「主よバアル・ハモンへ、ハンニバルの息子ムットゥンバアルがこの願いを捧げた。主は、彼の声を聞き、祝福してくださったから」」

20.「ポエニ語の碑文が刻まれ、星、女神タニトの標章、ヘルメスの杖、馬の頭が彫られた破風付き石碑:碑文「バアル神とバアル神に向き合うタニト女神にムットゥンがこの願いを捧げた。神はその声を聞き、祝福してくださった」」

21.「彫像断片:酒と演劇の神バッカスの従者サテュロスの頭部」

22.「ローマの石棺:人間の創造とその運命を表すティタン族プロメテウスの伝説」

23.「床モザイク:カリュドンの猪を狩るギリシアの英雄メレアグロスの伝説;葉冠の中の鴨のつがい;葉冠の中の男性胸像」

24.「ローマの神サトゥルヌスに捧げる碑文のある牡牛の頭部」

25.「水槽の床モザイク(?):魚のいる海の中でイルカと遊ぶキューピッドたち」

26.「床モザイク断片:狩りをするキューピッドと植物模様」

27.「ギリシア語の銘文と、蛇の髪をした神話の怪物ゴルゴンの頭部が表されたメダイヨン」

28.「騎士とグリフォンの装飾が施された腕輪」

29.「ギリシア神話の英雄ヘラクレスの妻、デイアネイラを掠奪するケンタウロスのネッソス」

30.「ラファエロに基づくエウロペの掠奪を描いた、ウルビーノ司教ジャコモ・ノルディの紋章入りの皿」

31.「皿:エウロペの掠奪」

32.「懐中時計:エウロペの掠奪」

33.「エウロペの掠奪を表した浮彫装飾のあるレキュトス(小型の香油入れ)」

34.「エウロペの掠奪」

35.「エウロペの掠奪」

36.「エウロペの掠奪」

37.「エウロペの掠奪」

38.「トロイアの王子パリスに、スパルタのヘレネを引き合わせる愛の女神ヴィーナス」

39.「アルテミス:信奉者たちから贈られたマントを留める狩りの女神、通称「ギャビーのディアナ」」

40.「トロイアの王子パリス」

41.「大聖堂に転用された、シチリア島シラクーザのミネルヴァ神殿の側面」

42.「アテネのアクロポリス、オリンピア・ゼウス神殿のテラスからの眺め」

 

 今回、気になった作品は沢山ありましたが、まずアンフォラの「ギリシアの英雄テセウスとペイリトオスによるアマゾン族の女王アンティオペの誘拐」。

 

 テセウスというと「アリアドネの糸」で有名なアリアドネさんや悲劇で有名なパイドラーさん、そして、(12歳?の頃の)ヘレネさんを誘拐したり、色々と女性絡みの話があります。

 

 更にペイリトオスとは、共に冥府に行きペルセポネーを嫁にしよう(嫁にしようとしたのはペイリトオスの方が一般的っぽいですが)としたりしていますが、アンティオペを攫った時もペイリトオスと一緒だったんですね。知らなかったです。

 

 アンフォラを良く観ると(恐らく)テセウスが持っている槍、両側に刃物が付いている様に見えます(多分、柄なんだとは思いますが)。また、アンティオペさんの「矢筒」、デザインがお洒落ですね。矢が全て中に入っているのか、ほんの少しだけ「矢の頭」が見えているようです。

 

 家に帰って良く見ようと図録を見ると……図録の写真、「逆」になっています。恐らく鏡に映った写真を使用したのだと思います。

 う~ん、凄い残念というか何と言うか(修正はされないですよね、きっと)。気付かない物なんですね……。

 

 「小型の香油入れ」の「白鳥および神話の怪物ゴルゴンの頭」のゴルゴンのデザイン、良く見る古代ギリシアコインのゴルゴンのデザインとほぼ同じです。年代がBC600ですので、ちょうどコインが出始めた時期と同じです。

 恐らくこの香油入れもコインも同じ「イメージ」を元にデザインしているように思います。「眼を大きく見開き、歯を見せ、舌を出し、ポッチャリした顔」、そしてちょっと東洋ちっくな感じ……こんなイメージなんでしょうね。

 画像は「ルーヴル美術館展 ジュニアガイド」からお借りしました。

 

 「黒像式アンフォラ:アテネの守護女神アテナ」、ちょっと気になったのは槍を持っていない事。楯を持って、如何にも槍を構えている格好をしてるのに何故か「手ぶら」です。何か理由があるのでしょうか?

 もしご存知の方がいらっしゃいましたら、教えてください……。

 

 目玉の「ギャビーのディアナ」と「トロイアの王子パリス」は何故か空いていました(というか美術展は「最初のコーナー」が混みますね……毎度の事ですが)ので、じっくりと観れました。

 パリス、何か女性ぽかったです。特にお尻は「桃尻」でモデルは女性では、と思うほどでした。

 

 後、パリスは素足でしたが、ディアナ女神はサンダルを履いていました。このサンダルをグッズにして販売すれば買ったのになぁ、と別の事を考えてしまいました。

 

 因みに近くに絵画の「トロイアの王子パリスに、スパルタのヘレネを引き合わせる愛の女神ヴィーナス」がありました。

 

 ヘレネの胸ははだけていますが、ヴィーナスは胸が出ていません。どうもイメージとしては「ヴィーナスは裸(というかはだけているというか)」ですので、ちょっと違和感がありました。ただ、大きくて写真で観るより遥かに綺麗です。ポストカードにして欲しかったですね。

 

 ギリシア神話満載で楽しめました。ただ混み過ぎです……。

「ギャビーのディアナ」について(追記)

 ルーブル美術館のサイト( http://goo.gl/VdUaxT )に説明が載っていました。


 訳してみると有名な彫刻家プラクシテレス「風の」作品のコピーのようです。以前は「プラクシテレスの作品のコピー」と思われていて、その元は「ブラウロニア神殿のアルテミス」と考えられていたっぽいです。この「ブラウロニア神殿のアルテミス」については、パウサニアス著「ギリシア記」の 第I巻, 第23章, 第7節にほんの少し語られていて、

 

 アルテミス・ブラウロニア神殿 「ブラウロンに坐すアルテミス」の神域。女神像はプラクシテレスの手になり、ブラウロン区に因んで、その異名がついた。この区には古い木彫神像があり、アルテミス・タウリケと伝える(p46,47抜粋)。

 

 とありました。「ブラウロン」というのは地名で、地図を見るとアテナの東、約30キロぐらいの、海に面した町のようです。

 

 プラクシテレスさんは有名な彫刻家で、2011年の国立西洋美術館「大英博物館 古代ギリシャ展 究極の身体、完全なる美」にて「クニドスのアフロディテ」が来ています(もちろんオリジナルではなくローマン・コピーです)。

 

 もしパウサニアス著「ギリシア記」に書かれている「プラクシテレスの作品のコピー」であれば、もっと有名になっていたのかもしれないですね。

 

 因みに「ギャビー」というのはイタリアの地名で、現在は「オステリア・デル・オーザ」というらしいです(ローマの近くらしい)。図録より。

【購入グッズ】


図録 \2,300

 

ポストカード

 作者不明 「ギャビーのディアナ」 \100

 作者不明 「ギャビーのディアナ」(部分) \100

 作者不明 「トロイアの王子パリス」 \100

 作者不明 「垂れ飾り:オリエントの女神、ネコ科の動物の頭部、二つの女性の頭部、ロゼット」 \100

 作者不明 「彫像断片:ディアデマ(宝石入り帯状髪飾り)を冠したエジプトの地母神イシスの頭部」 \100

 作者不明 「ローマの石棺:人間の創造とその運命を表すティタン族プロメテウスの伝説」 \100

 作者不明 「水槽の床モザイク(?):魚のいる海の中でイルカと遊ぶキューピッドたち」 \100

 作者不明 「赤像式クラテル(壺):牡牛に変身した主神ゼウスによる王女エウロペの掠奪」 \100

 作者不明 「魚形アリュパロス(小型の香油入れ)、等、4種類の小物」 \100

 

チケットファイル

 「ギャビーのディアナ」 \250

 「魚のいる海の中でイルカと遊ぶキューピッドたち」 \250

 

しおり \500

 

ラバーマグネット

 「黒像式アンフォラ:アテネの守護女神アテナ」 \500

 「ギャビーのディアナ」 \500

 

ラバーストラップ 「ギャビーのディアナ」 \500

 

丸型マグネット

 「ギャビーのディアナ」 \500

 「ヘラクレスとケンタウロス」 \500

 

A4クリアファイル

 「ギャビーのディアナ」 \400

 

Wクリアファイル \550

 ポストカード入れはデザインなしでしたが、レシートのロゴはオリジナル。こちらは中々良い感じです。

 クレジットカードは利用可能です。

 今回、ポストカードは\100でしたが、残念な事に絵画のポストカードはなく、全て立体物ですので掲載は出来ません。

 

 ストラップやマグネットはグッズの定番ですが、ラバータイプの物が販売されていました。個人的には始めて見たので、珍しさに負けて「ギャビーのディアナ」のストラップ、つい使用する用と取っておく用の2つを買ってしまいました。

 どこに付けようかと迷いましたが……、

 ブロガー招待の時に使用するデジカメに付けました。意外とデジカメと合っています。ディアナ女神は狩りの女神でもありますので、綺麗に写真が取れるかなと。

 

 手拭が販売されていて買おうかなと迷いましたが、ちょっと薄手で、柄もギリシア神話とは離れていましたので、未購入。ラバーストラップのイメージで壺や「ギャビーのディアナ」の柄なら似合っていたような……。

 

 ミュージアムショップを後にして外に出ると、ピンズのガチャがありました。HPには載っていませんでしたが、どうやらオリジナルのようです。

 

 全部で7種類ですが、ギリシア神話的には「黒像式アンフォラ:アテネの守護女神アテナ」と「ギャビーのディアナ」、そしてアフロディテ女神と習合された「イシス女神」がギリギリで3種類。

 3種類ゲットしましたが、いくらかかったかは秘密で……1回\300ですので結構出費が……(どうやら魚が「当り」のようですね)。


 因みに細かいのがなくショップで両替してもらいましたが、最初は「はい、いいですよ」と丁寧に対応いただけましたが、2回目の両替では無言で渡されました。

 

 まぁ想定外だったんでしょうねぇ……ガチャをやられる方は100円玉を沢山持っていきましょう^^;