古代の楽園-神話、来世、桃源郷…-

2013年12月6日(金) 晴れ 14時15分~15時00分頃

 

【総評】

 

 駅から遠く、あまり宣伝もしていないのでガラガラかと思いましたが、もう会期の終わりが近い為か、そこそこ人がいました。

 

 ギリシア神話関連ですが、以下の6点がありました。

 

①富と繁栄を擬人化したフレスコ画 イタリア 1世紀

②赤像式両手壺(ペリケ) ギリシア アッティカ 前5世紀

③黒像式キュリクス(杯) ギリシア アッティカ 前500-490

④ヴィーナス(小像) 東地中海沿岸 1-2世紀

⑤赤像式カリュクス(萼形)カクテル(混酒器) ギリシア アッティカ 前375-350

⑥ヴィーナスとキューピッド(像) シリア 1-3世紀

 

 ①の老人はプルースト、と書かれていました(多分プルートスの間違い?)。足元に居るアヒルは富を表している、というのは良いのですが、近くに明らかに「鷲」がいました。

 図録を見てみるとゼウスの鷲との事で、フレスコだけ見ると一瞬「ゼウス?」と思ってしまいますね。

 

 ②にはディオニュソスと女信者メナドを追いかけるサテュロスが描かれていました。

 

 ③は今回のメインでした。杯の内側にはゴルゴンの顔があり、杯の側面にはディオニュソスとサテュロス、そしてその両側に「目」が描かれていて杯を持ち上げるとその「目」が周りを見て悪霊を祓う、との説明がありました。

 内側のゴルゴンは以前ご紹介した「黒海沿岸 アポロニア ポンティカ」のドラクマ銀貨に似ていましたが、髯が生えていました……。

 

 ④は20cm程度の小像でしたが「はじらいのポーズ」をしています。キャプションにあるように、小さいのですが耳にイヤリングをしているのははっきり分かりました。

 

 ⑤には裸のディオニュソスがテュルソスの杖を持ち、女性信者、サテュロスと踊り歩いているシーンが描かれています。

 因みに「萼形」は「がくかた」と読むそうです(漢字が変換できなくて困りました……)。

 

 ⑥は前回もショップにレプリカが販売されていましたので、恐らく常設にもある物だと思います。シリア、というのがちょっと気になりますね。

 

 上記以外に「南アジア ガンダーラ仏教彫刻」の所にギリシア神話関連がありました(因みにガンダーラの「葡萄唐草文」はインド(仏教)→中国→日本に流れた旨のキャプションがありました)。

 

1.ケートス浮彫 パキスタン ガンダーラ 2-4世紀(仏塔の階段の装飾)

2.土製型 パキスタン 2-3世紀(ディオニュソス、サテュロス、マイナス)

3.建築装飾彫刻 パキスタン ガンダーラ 2-4世紀(ディオニュソスの従者達と山羊に乗る森の精、等)

 

 面白かったのが2.の土製型で「装飾の見本?」とのキャプションがありました。この型からシリコンで型取りした物があったのですが、とても精緻で綺麗でした。

 

 最初は余り期待していなかったのですが、ギリシア神話関連も多く、結構楽しめました。

【購入グッズ】

 

図録 \1000

 

図録(空想動物の世界-聖なる古代の物語-) \800

 

クリアファイル ふくろう \350

 

 図録が販売されていました。といっても全ての作品が載っている訳ではなく、薄い小冊子のような感じです。

 ですので、気になった情報はメモする必要があります。

 

 後、去年観に行った「空想動物の世界展」の図録が販売されていました。係りの方に聞いた所「人気があったので……売り切れていたのかも」と話していましたが、行ったのは公開日初日の10時45分。

 流石に売れきれないでしょうし、更に図録を見てみると「2012年7月7日 1版1刷」と。う~ん、まぁ今回買えたので良いんですけどね……。

 

 クリアファイルは珍しい古代ギリシャコイン(恐らく「アッティカ アテナ テトラドラクマ銀貨」)のデザインでしたので、購入。表のアテナ女神ではなく裏の梟というのが、中々。

 なお、クレジットカードは\3,000円以上で利用可能です。